0〜2歳児クラスの保育料は、きょうだいの数で変わります。ただし「何人目と数えるか」は、国の基準と自治体の独自の制度で違います。同じ家族でも、住む市によって第1子になったり第2子になったりします。この記事では、国の基準と、自治体が広げている例を、公式資料にもとづいて整理します(2026年10月時点)。
まず前提: 3〜5歳は保育料がかからない
3歳から5歳までのこどもは、幼稚園・保育所・認定こども園などの利用料が無償です。期間は、満3歳になった後の4月1日から小学校入学前までの3年間です。
そのため、きょうだいの数え方が保育料の金額に関わるのは、主に0〜2歳児クラスのこどもです。ただし、3〜5歳のきょうだいも「何人目か」を数えるときの人数には入ることがあります。この点は次の章で説明します。
0〜2歳でも、住民税非課税世帯のこどもは利用料が無償です。
国の基準: 小学校就学前の範囲で、同時に利用している子を数える
国の基準(保育認定の2号・3号)では、次のように数えます。
- 小学校就学前の範囲で数える(小学1年生以上の兄姉は数えない)
- 保育所・認定こども園・幼稚園・特別支援学校幼稚部に在籍しているか、地域型保育事業などを利用している子を数える(いわゆる「同時入所要件」)
- そのうち最年長の子から順に、第2子は半額、第3子以降は無償
たとえば、小学2年生・4歳(保育所)・1歳(保育所)のきょうだいでは、小学2年生は数えません。4歳の子が第1子、1歳の子が第2子になり、1歳の子の保育料は半額です。
年収約360万円未満相当の世帯は、年齢と同時入所を問わない
年収約360万円未満相当の世帯は、数え方が広がります。国の資料では、この世帯は「第2子半額、第3子以降完全無償(年齢制限、同時入所要件撤廃)」とされています。小学生以上の兄姉や、保育所などを利用していない兄姉も数えます。
この「年収約360万円未満相当」は、子ども・子育て支援法施行令(第14条)では、保護者と同じ世帯の人の市町村民税の所得割の合計(所得割合算額)が57,700円未満であることを指します。
ひとり親世帯、在宅障害児(者)のいる世帯などは、基準が77,101円未満になり、0〜2歳の第2子も無償です。所得割の額の調べ方は、所得割額についての記事で説明しています。
| 世帯 | 数える範囲 | 第2子 | 第3子以降 |
|---|---|---|---|
| 国の基準(一般) | 小学校就学前で、保育所・幼稚園などを同時に利用している子 | 半額 | 無償 |
| 年収約360万円未満相当(所得割合算額57,700円未満) | 年齢・施設の利用を問わない | 半額 | 無償 |
| ひとり親世帯など(所得割合算額77,101円未満) | 年齢・施設の利用を問わない | 無償 | 無償 |
なお、幼稚園などの教育認定(1号認定)は、無償化によって多子世帯かどうかにかかわらず無償です。
3〜5歳の副食費(おかず・おやつ代)も「第3子以降」で免除
3〜5歳は保育料が無償でも、副食費(おかず・おやつ代など)は原則として保護者の負担です。ただし、年収360万円未満相当の世帯のこどもと、全ての世帯の第3子以降のこどもは、副食費が免除されます。
自治体が独自に広げている例
国の基準は、あくまで最低限のルールです。多くの自治体が、数える範囲を広げたり、第2子を無料にしたりしています。以下は、このサイトで保育料表を照合した市のうちの一部です。内容は各市の公式ページで確かめたものです。
年齢や施設の利用を問わず数える(千葉市)
千葉市は、令和7年9月から、保護者と生計が同一の子が2人以上いる場合、施設の在籍の有無やきょうだいの年齢に関わらず、第2子の保育料を半額、第3子以降を無料にしています。対象は千葉市在住で、対象施設の0〜2歳児クラスに在籍する世帯の第2子以降です。第1子の年齢や世帯の所得は問いません。
金額は 千葉市の保育料ページ で確認できます。
第2子以降を無料にしている(福岡市・仙台市)
福岡市は、令和5年4月から「第2子以降の保育料無償化」を始めています。生計を同一にしているお子さんのうち、最年長者を第1子、その下の子を第2子として数えます。保護者の収入に関係なく全世帯が対象です。
仙台市は、令和8年9月から、生計が同一の子等を年齢の高い順に数えて第2子以降を、3歳未満児の保育料の無償化の対象に加えています。生計が同一の子や孫等であれば、年齢に関わらず数えます。
第3子を数える範囲を高校生まで広げる(新潟市)
新潟市は、第3子以降の保育料と副食費の算定対象とするきょうだいの年齢を、高校3年生までの子どもに引き上げています。高校3年生までとは、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子です。また、小学校就学前に2人以上いる場合の2番目の子の保育料は、国の基準(2分の1)より軽い4分の1にしています。
このように、「第2子以降は無料」は全国共通のルールではありません。半額の市も、数える範囲が就学前に限られる市もあります。お住まいの市のルールは、保育料の一覧から各市のページで確認してください。各市のページに、市の公式資料へのリンクを載せています。
東京都・大阪市: 第1子から無料
東京都は、令和7年9月1日から、保育料等の第一子無償化を実施する区市町村を支援しています。対象は、年齢や所得にかかわらず認可保育所等を利用する全ての世帯です。実施するのは区市町村です。
たとえば目黒区は、令和5年10月から第2子以降の保育料を無償化し、令和7年9月からは、年齢や課税状況にかかわらず第1子を含む全ての児童の保育料を無償化しています。この場合、きょうだいの数え方で保育料が変わることはありません。
大阪市も、令和6年9月分の保育料から第2子以降分を無償化し、令和8年9月からは第1子分も無償化しています。認可保育施設に準じた保育を行う企業主導型保育事業も、令和8年9月分から対象です。
ただし、第1子から無料の区市でも、延長保育料や給食費などの扱いは自治体ごとに違います。たとえば目黒区は、月額延長保育料とスポット延長保育料を無償化の対象外としています。
国の制度は2026年度に変わったか
国の制度では、認可外保育施設や幼稚園の預かり保育などの無償化の上限額が、2026年10月1日から引き上げられました(子ども・子育て支援法施行令の改正)。金額は 保育の無償化で無料になるもの・ならないもの にまとめています。一方、0〜2歳の保育料の多子軽減(小学校就学前で数える基準や、年収約360万円未満相当の世帯の扱い)を変える記載は、2026年10月20日時点で確認できたこども家庭庁の資料にはありませんでした。
数え方を確かめるときのポイント
- 数えるのは「保護者と生計を同一にする子」か、「施設を利用している子」か
- 兄姉の年齢に上限はあるか(小学校就学前か、18歳までか、上限なしか)
- 第2子は半額か、無料か
- 所得による条件はあるか
- 認可外保育施設や企業主導型保育も対象か
この5点は、市の保育料表や入園の案内に書かれています。
まとめ
- 国の基準では、小学校就学前で施設を同時に利用している子を最年長から数え、0〜2歳の第2子は半額、第3子以降は無償です。
- 年収約360万円未満相当の世帯は、年齢と同時入所を問わずに数えます。
- 多くの自治体が独自に範囲を広げていますが、内容は市ごとに違います。東京都の区市や大阪市のように、第1子から無料のところもあります。