住宅ローンで毎月いくら返すか、全部でいくら払うかは、主に「借入額」「金利」「返済期間」の3つで決まります。この記事では、2026年10月時点の公式の金利を出典つきで示し、元利均等返済で計算した返済額の例を載せます。計算の前提はそれぞれの表の上に書いています。
2026年10月時点の金利の水準
全期間固定のフラット35
住宅金融支援機構の金利情報によると、2026年10月に資金を受け取る【フラット35】(新機構団信付き)の借入金利は次のとおりです。
| 商品 | 借入期間 | 融資率 | 金利の範囲 | 最も多い金利 |
|---|---|---|---|---|
| 【フラット35】 | 21年以上35年以下 | 9割以下 | 年3.830%〜年5.840% | 年3.830% |
| 【フラット35】 | 21年以上35年以下 | 9割超 | 年3.940%〜年5.950% | 年3.940% |
| 【フラット20】 | 20年以下 | 9割以下 | 年3.510%〜年5.520% | 年3.510% |
フラット35の借入金利は、取り扱う各金融機関が決めています。上の表は、取扱金融機関が提供する金利の範囲と最も多い金利です。金利は毎月第1営業日に更新されるので、申し込む月の金利を住宅金融支援機構のサイトで確かめてください。融資率は、建設費や購入価額に対する借入額の割合です。
変動金利と日本銀行の政策金利
変動金利の住宅ローンの金利は、金融機関が商品ごとに決めます。全国共通の公式の数字はないため、この記事では特定の金利を書きません。
参考として、日本銀行は2026年9月18日の金融政策決定会合で、短期の政策金利を次のようにしました。
無担保コールレート(オーバーナイト物)を、1.25%程度で推移するよう促す。
この方針は2026年9月24日から適用されています。その前の2026年6月の会合では、「0.75%程度」から「1.0%程度」に引き上げていました。変動金利の見直しの時期やルールは商品ごとに違うので、契約前に金融機関の説明書で確かめてください。
金利で総返済額はどれだけ変わるか
3,000万円を35年で借りた場合を、金利ごとに計算しました。
前提: 元利均等返済(毎月の返済額が一定)。毎月払いで、ボーナス払いなし。金利は35年間変わらないものとします。保証料・手数料・団体信用生命保険の上乗せ金利は含めません。万円未満は四捨五入しています。
| 金利(年) | 毎月の返済額 | 総返済額 | うち利息 |
|---|---|---|---|
| 1.00% | 84,686円 | 約3,557万円 | 約557万円 |
| 2.00% | 99,379円 | 約4,174万円 | 約1,174万円 |
| 3.00% | 115,455円 | 約4,849万円 | 約1,849万円 |
| 3.83% | 129,791円 | 約5,451万円 | 約2,451万円 |
3.83%は、上で見た2026年10月のフラット35(21〜35年・融資率9割以下)の最も多い金利です。同じ3,000万円でも、金利1.00%と3.83%では、毎月の返済額が約4.5万円、総返済額が約1,894万円違います。
変動金利で借りる場合は、借りた後に金利が上がることがあります。今の金利だけでなく、2%や3%になったときの返済額も計算しておくと、無理のない借入額を考えやすくなります。
返済期間で利息はどれだけ変わるか
同じ3,000万円・年2.00%で、返済期間を変えて計算しました(前提は上の表と同じ)。
| 返済期間 | 毎月の返済額 | 総返済額 | うち利息 |
|---|---|---|---|
| 25年 | 127,156円 | 約3,815万円 | 約815万円 |
| 30年 | 110,886円 | 約3,992万円 | 約992万円 |
| 35年 | 99,379円 | 約4,174万円 | 約1,174万円 |
期間を長くすると毎月の返済は軽くなりますが、利息の合計は増えます。25年と35年では、利息の差は約359万円です。
フラット35の借入期間は、15年以上(申込者または連帯債務者が満60歳以上なら10年以上)で、「80歳 − 申込時の年齢」と35年のうち短いほうが上限です。完済するときの年齢と、その時期の収入の見込みもあわせて考えてください。
年収からみた借入額の目安
フラット35の返済負担率の基準
フラット35では、すべての借入れの年間合計返済額が年収に占める割合(総返済負担率)に基準があります。
| 年収 | 総返済負担率の基準 |
|---|---|
| 400万円未満 | 30%以下 |
| 400万円以上 | 35%以下 |
この基準は、フラット35を借りるための条件です。生活に無理がない返済額を示したものではありません。家計に合う返済額は、ローン以外の住まいの費用や教育費なども含めて、自分で考える必要があります。
年収600万円の場合の計算例
年収600万円の人が、年間返済額を年収の35%(フラット35の基準の上限)にした場合と、25%に抑えた場合で、35年で借りられる額を計算しました。
前提: 元利均等返済・35年・毎月払い。金利は35年間変わらないものとします。年間返済額は年収(税や社会保険料を引く前)に対する割合です。他の借入れはないものとします。審査で使われる金利や、実際に借りられる額は金融機関によって違います。
| 年間返済額 | 毎月の返済額 | 金利1.00% | 金利2.00% | 金利3.83% |
|---|---|---|---|---|
| 年収の25%(150万円) | 125,000円 | 約4,428万円 | 約3,773万円 | 約2,889万円 |
| 年収の35%(210万円) | 175,000円 | 約6,199万円 | 約5,283万円 | 約4,045万円 |
同じ毎月12.5万円の返済でも、金利が1.00%なら約4,428万円、3.83%なら約2,889万円です。金利が高いほど、同じ返済額で借りられる額は小さくなります。
自分の条件では、ローン返済計算で毎月の返済額と総返済額を確かめられます。
元利均等返済と元金均等返済
住宅ローンの返し方には、主に2つあります。
- 元利均等返済: 毎月の返済額が一定となる返済方法です。元金均等返済に比べて、返済開始当初の返済額を少なくできます。この記事の計算はすべてこの方式です。
- 元金均等返済: 毎月の返済額のうち、元金の額が一定となる返済方法です。返済開始当初の返済額が最も高く、借入時に必要な収入も高くなります。
住宅金融支援機構の説明では、同じ借入期間なら、元金均等返済のほうが元利均等返済より総返済額は少なくなります。
住宅ローン控除(令和8年に住み始めた場合)
住宅ローンを使って新築の住宅などを取得し、令和8年(2026年)に住み始めた場合の住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)の主なルールは次のとおりです(国税庁 No.1211-1、令和8年4月1日現在の法令による)。
| 住宅の区分 | 控除期間 | 控除額(年) | 特例対象個人の場合の上限 |
|---|---|---|---|
| 認定長期優良住宅・認定低炭素住宅 | 13年 | 年末残高等 × 0.7%(上限31.5万円) | 35万円 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 13年 | 年末残高等 × 0.7%(上限24.5万円) | 31.5万円 |
| 省エネ基準適合住宅 | 13年 | 年末残高等 × 0.7%(上限14万円) | 21万円 |
| その他の住宅 | 0年 | 対象外(下の例外あり) | − |
- 特例対象個人とは、40歳未満で配偶者がいる人、40歳以上で40歳未満の配偶者がいる人、または19歳未満の扶養親族がいる人です。ただし、令和8年1月1日以降に「特例認定住宅等」(床面積40平方メートル以上50平方メートル未満の認定住宅等)に住み始めた場合は、この上乗せはありません。
- 「その他の住宅」でも、令和5年12月31日までに建築確認を受けたもの、または令和6年6月30日までに建築されたものは、控除の上限を14万円として10年間の控除が受けられます。ただし床面積40平方メートル以上50平方メートル未満の住宅(特例居住用家屋)は、令和5年12月31日までに建築確認を受けたものに限ります。
- 控除を受ける年分の合計所得金額が2,000万円以下であることが必要です。
- 床面積が50平方メートル以上で、その2分の1以上を自分が住むために使うことが必要です。床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満の住宅(特例居住用家屋・特例認定住宅等)は、合計所得金額が1,000万円以下の年だけ対象になります。
このほかにも要件があり、中古住宅の場合などはルールが違います。表は新築住宅などの場合です。詳しくは国税庁のページで確かめてください。
まとめ
- 2026年10月のフラット35(21〜35年・融資率9割以下)の金利は年3.830%〜年5.840%、最も多い金利は年3.830%です。
- 3,000万円・35年の総返済額は、金利1.00%で約3,557万円、3.83%で約5,451万円です(元利均等返済、金利一定の計算)。
- フラット35の総返済負担率の基準(年収400万円以上は35%以下)は審査の条件で、無理のない返済額とは別に考えます。
- 借りる前に、金利が上がった場合の返済額も計算しておくと安心です。
老後の家計との関係は、老後資金はいくら必要かを自分で計算するも参考にしてください。