【実際に計算できる】年末調整を完全攻略!申告書の書き方と取り戻せる税金の計算方法
年末調整の書類が配られるたびに、「とりあえず名前と住所だけ書いて出す」という人が周りにたくさんいます。正直、以前の自分もそうでした。ある年に生命保険料控除を申告し忘れて約1万円損したことがきっかけで、ちゃんと調べるようになりました。
年末調整とは何か:確定申告との違い
毎月の給与から引かれている所得税は「概算」です。1年間の正確な収入・控除額が確定してから計算し直すのが年末調整です。
| 項目 | 年末調整 | 確定申告 |
|---|---|---|
| 対象者 | 会社員・パート(給与所得者) | 副業あり・フリーランス等 |
| 手続き | 会社が代行 | 自分で税務署に申告 |
| 時期 | 毎年11〜12月 | 翌年2〜3月 |
| 申告漏れ | 翌年に自分で確定申告で取り戻せる | 期限内申告が必要 |
副業収入がある人は年末調整後に確定申告も必要ですが、給与収入の控除は年末調整で完結させましょう。
提出する3つの申告書
① 扶養控除等(異動)申告書
最も重要な書類。この書類を出すだけで「給与所得者」として認められ、年末調整の対象になります。
記入ポイント:
- 配偶者・子・親など扶養している人がいれば必ず記載
- 扶養家族1人につき約38万円の控除が受けられる
- 「16歳以上の子」「70歳以上の親」は控除額が増える
② 保険料控除申告書
生命保険・地震保険・社会保険料(国民年金など)の控除を申告する書類。
生命保険料控除の上限(一般・介護医療・個人年金それぞれ)
| 年間保険料 | 控除額(2012年以降の契約) |
|---|---|
| 2万円以下 | 保険料全額 |
| 2万円超〜4万円以下 | 保険料×1/2+1万円 |
| 4万円超〜8万円以下 | 保険料×1/4+2万円 |
| 8万円超 | 一律4万円(上限) |
3種類合計で最大12万円の控除が受けられます。年収500万円の人なら約2.4万円の節税効果です。
まず自分の手取りと税額を確認しておきましょう。
③ 配偶者控除等申告書
配偶者の収入が一定以下の場合に使います。2018年の改正で「配偶者特別控除」の対象が拡大されています。
| 配偶者の年収 | 控除の種類 | 控除額(本人年収900万円以下の場合) |
|---|---|---|
| 103万円以下 | 配偶者控除 | 38万円 |
| 103万円超〜150万円以下 | 配偶者特別控除 | 38万円 |
| 150万円超〜201万円以下 | 配偶者特別控除 | 段階的に減少 |
| 201万円超 | 対象外 | 0円 |
「103万円の壁」は今でも配偶者控除の基準ですが、配偶者特別控除があるため150万円まで最大控除を受けられます。
よくある申告漏れTOP3
1位:生命保険料控除の証明書を出し忘れ
控除証明書が手元にあるのに申告書に記載しない、または証明書を添付しないケース。会社は証明書がなければ控除できません。
2位:住宅ローン控除(2年目以降)の書類未提出
住宅ローン控除は1年目だけ確定申告が必要で、2年目以降は年末調整で手続きできます。税務署から送られてくる「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書」と金融機関からの「残高証明書」を毎年提出する必要があります。
3位:扶養家族の変更を届け出ていない
子どもが生まれた・親を扶養に入れた・配偶者が退職して収入が減ったなど、状況が変わったら必ず届け出ましょう。
⚠️ 申告漏れがあっても翌年に取り戻せます
年末調整で申告し忘れた控除は、翌年3月15日までに確定申告すれば取り戻せます。「もう終わった」と諦めずに手続きしましょう。
自分の年収でどれだけ節税できるか計算してみましょう。
年末調整後の還付・追加徴収
還付(お金が戻る)場合:控除が多かった・育休で収入が減ったなど、払いすぎた税金が12月または1月の給与と一緒に振り込まれます。
追加徴収(引かれる)場合:昇給・賞与が多かったなど、概算より税金が多かった場合に差額を引かれます。
年末調整で正確に申告することが、還付額を最大化する唯一の方法です。
❓ よくある質問
Q. 年末調整で申告を忘れた控除はどうなりますか?
翌年の確定申告期間(2月16日〜3月15日)中に確定申告すれば、申告漏れた控除分の税金を取り戻せます。過去5年分まで遡って申告できる「還付申告」もあります。
Q. 生命保険に入っていない場合、保険料控除申告書は提出しなくていいですか?
保険料控除が何もない場合でも、扶養控除等申告書と基礎控除申告書は提出が必要です。これらを提出しないと年末調整の対象外となり、乙欄課税(税率が高い)になることがあります。
Q. iDeCoの掛金も年末調整で控除できますか?
はい、iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金は「小規模企業共済等掛金控除」として年末調整で申告できます。iDeCoの運営管理機関から送られてくる「小規模企業共済等掛金払込証明書」を保険料控除申告書に添付して提出します。
Q. 配偶者が専業主婦(夫)の場合、必ず配偶者控除を申告すべきですか?
配偶者の年収が103万円以下であれば配偶者控除(38万円)が受けられるため、必ず申告することをおすすめします。本人の年収が1,000万円を超える場合は配偶者控除・配偶者特別控除の対象外になります。