【実際に計算できる】社会保険料の全知識!給与から引かれる金額の計算と「106万円・130万円の壁」
社会保険料は毎月の給与から自動的に引かれていくため、何のために払っているのかよくわからないまま数十年過ごす人も多いです。筆者も入社してしばらくは「厚生年金ってどこに消えるの?」と思っていました。仕組みを理解すると、損しない働き方の選択肢が見えてきます。
社会保険料の4種類と計算のしくみ
会社員が毎月払う社会保険料は4種類あります。
| 種別 | 従業員負担率 | 会社負担率 | 主な給付内容 |
|---|---|---|---|
| 健康保険 | 約5% | 約5% | 医療費の自己負担を3割に軽減 |
| 厚生年金 | 9.15% | 9.15% | 老後の年金・障害年金・遺族年金 |
| 雇用保険 | 0.6% | 0.85% | 失業給付・育児休業給付 |
| 介護保険 | 0.9%(40歳以上) | 0.9% | 介護サービスの費用補助 |
給与明細に載っているのは従業員負担分だけ。実際には会社が同額以上を上乗せして納めているため、自分が受け取れる年金・保険の恩恵はかなり大きいです。
まず自分の給与からどれだけ社会保険料が引かれているか確認しましょう。
社会保険料は「標準報酬月額」で決まる
社会保険料は実際の給与額ではなく「標準報酬月額」という区分で計算されます。4〜6月の給与の平均をもとに決まり、9月に改定されます。
💡 4〜6月の残業が多いと保険料が上がる
4〜6月に残業が多く、平均給与が高くなると、標準報酬月額が上がり、9月以降の保険料が増えます。「4〜6月の残業を抑える」という節税テクニックを聞いたことがある人もいるかもしれません。ただし、残業を抑えるために将来の年金も減るため、一概に得とは言えません。
扶養の「壁」:103万・106万・130万・150万円の違い
パートで働く場合、収入が一定額を超えると税金や社会保険料が発生します。
| 壁の種類 | 金額 | 発生すること |
|---|---|---|
| 103万円の壁 | 年収103万円 | 所得税が発生する |
| 106万円の壁 | 年収106万円 | 社会保険に自分で加入(条件あり) |
| 130万円の壁 | 年収130万円 | 配偶者の扶養から外れ社会保険加入 |
| 150万円の壁 | 年収150万円 | 配偶者特別控除が段階的に減少 |
106万円の壁が適用される条件(2024年時点)
以下を全て満たす場合、106万円(月8.8万円)を超えると社会保険加入が必要:
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 月額賃金が8.8万円以上
- 雇用期間が2ヶ月超の見込み
- 学生でない
- 従業員51人以上の会社に勤務
年収と手取りの関係をシミュレーターで確認してみましょう。
社会保険に自分で入ると何が変わるか
扶養を外れて社会保険に加入することのメリット・デメリットは両方あります。
メリット
- 将来の厚生年金が増える(国民年金だけより月数万円多くなる)
- 傷病手当金(病気で働けない期間の給付)が受けられる
- 出産手当金・育児休業給付が受けられる
デメリット
- 毎月の手取りが保険料分(約15〜16%)減る
- 当面の生活費が増える
長期的に見れば厚生年金への加入はプラスになることが多いです。ただ「壁をわずかに超える」程度では損になるため、ある程度の収入を目指す計画が重要です。
❓ よくある質問
Q. 社会保険料は節約できますか?
合法的に節約する方法はいくつかあります。①4〜6月の残業を抑えて標準報酬月額を下げる(ただし年金額も減る)、②iDeCoで給与から控除できる掛金を増やして課税所得を下げる(社会保険料自体には影響しないが節税になる)。社会保険料そのものを減らす手段は限定的で、避けるより将来の給付を活用することを考えた方が実質的です。
Q. フリーランスになると社会保険料はどう変わりますか?
会社員を辞めてフリーランスになると、厚生年金から国民年金に切り替わります。国民年金の保険料は月額約1.7万円(定額)で、厚生年金より保険料は安いですが、将来の年金受給額も大幅に少なくなります。また会社員時代は会社が半額負担していた健康保険料も、フリーランスでは全額自己負担(国民健康保険)となります。
Q. 育児休業中も社会保険料はかかりますか?
育児休業中は、社会保険料(健康保険・厚生年金)が免除されます(雇用保険は免除されません)。免除期間も厚生年金の加入期間としてカウントされるため、将来の年金額に影響しません。申請が必要なので、会社の担当者に確認しましょう。
Q. 130万円の壁を超えてしまった場合、どうすればいいですか?
130万円を超えた場合は、配偶者の健康保険の扶養から外れて自分で国民健康保険または勤務先の社会保険に加入する手続きが必要です。配偶者の会社にも連絡が必要です。超えてしまった場合の遡及適用については、健康保険組合によって対応が異なるため、配偶者の会社の担当部署に相談することをおすすめします。