iDeCoの始め方と手数料・手続きの流れ

iDeCoを始める前に確かめる掛金の上限(公務員は2024年12月から月2万円、2026年12月から引き上げ)、国民年金基金連合会などの手数料、申し込みの流れと2024年12月の事業主証明書の廃止を、公式資料で説明します。

出典(元データ)

最終確認日: 2026年10月21日

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、自分で掛金を出して運用し、原則60歳以降に受け取る年金の制度です。この記事では、始める前に確かめること、手数料、申し込みの流れを、厚生労働省とiDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)の資料にもとづいて説明します。2024年12月と2026年12月の改正も反映しています。

始める前に確かめる3つのこと

1. 自分の区分と掛金の上限

掛金は月5,000円から、1,000円単位で決められます。上限は、国民年金の区分と勤務先の企業年金で決まります。

区分現在(2024年12月から)2026年12月(2027年1月引き落とし分)から
自営業者・フリーランス・学生など(第1号)月6.8万円(国民年金基金などと合計)月7.5万円(国民年金基金などと合計)
企業年金がない会社員など(第2号)月2.3万円月6.2万円
企業年金がある会社員(第2号)月2.0万円月6.2万円(企業年金と合計)
国家公務員・地方公務員(第2号)月2.0万円月5.4万円
第2号被保険者に扶養されている配偶者(第3号)月2.3万円月2.3万円

公務員の上限は、2024年12月に月1.2万円から2万円に上がりました。 さらに2026年12月からは月5.4万円になります。これは、上限の6.2万円から共済掛金相当額の8,000円を引いた額です。

企業年金がある人は、今は企業型DCの事業主掛金などと合わせて月5.5万円を超えられません。公務員の場合は、共済掛金相当額と合わせて月5.5万円までです。そのため2万円まで出せない人もいます。自分の企業年金の掛金相当額は、勤務先に確かめてください。

2. 原則60歳まで引き出せないこと

iDeCoのお金は、原則60歳まで引き出せません。受け取りは、原則60歳から75歳までの間で選べます。ただし60歳から受け取るには、60歳までの通算加入者等期間が10年以上必要です。

掛金を出すのを止めることは、手続きをすればいつでもできます。止めても、それまでのお金は引き出せず、運用を続けます(運用指図者になります)。掛金額は年1回見直せます。

3. 税金がどれだけ減るか

掛金は全額が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)になり、所得税と住民税が減ります。ただし、所得税・住民税がかかっていない人には、この利点がありません。

目安の計算式は「年間の掛金 ×(所得税率 × 1.021 + 住民税10%)」です。1.021は復興特別所得税(所得税額の2.1%)の分です。所得税率10%の人の場合は次のとおりです(税率の区分が変わらないと仮定)。

掛金(月)1年で減る税金の目安
5,000円12,126円
2万円48,504円

税率ごとの表は「新NISAとiDeCoの違いと使い分け方」に載せています。

手数料

iDeCoには、どの金融機関で始めてもかかる手数料と、金融機関ごとに違う手数料があります。

国民年金基金連合会の手数料(全員共通)

種類金額(税込)
加入・移換時手数料(初回1回のみ)2,829円
掛金を納付するたびの手数料105円
還付手数料(その都度)1,048円

国民年金基金連合会は、加入中の手数料の見直しを予定しています。 時期と金額は、iDeCo公式サイトや加入先の金融機関の最新の案内で確かめてください。

事務委託先金融機関(信託銀行)と運営管理機関の手数料

このほか、資産を管理する事務委託先金融機関の手数料と、申し込む金融機関(運営管理機関)の手数料がかかります。金額は機関によって違います。たとえば三菱UFJ銀行の手数料表(2026年4月1日現在)では、事務委託先金融機関の手数料が月66円、運営管理機関の手数料が0円です。

毎月かかる手数料の合計(例)

国民年金基金連合会の手数料に、事務委託先金融機関の月66円を足し、運営管理機関の手数料を0円とした場合の計算です。

時期月年
現在(2026年10月)171円2,052円

掛金が少ないほど、手数料の割合は大きくなります。月171円は、掛金が月5,000円なら3.42%、月2万円なら0.85%に当たります。運営管理機関の手数料がかかる金融機関では、さらに増えます。上で書いた手数料の見直しがあれば、この金額も変わります。

投資信託を選ぶと、ほかに信託報酬などもかかります。信託報酬の差の影響は「投資信託の選び方とコストの見方」で計算しています。

金融機関の選び方

申し込みは、原則として、iDeCo公式サイトの「運営管理機関一覧」にある金融機関で受け付けています。比べるのは次の2点です。

  • 運営管理機関の手数料: 0円の機関もあれば、かかる機関もあります。
  • 選べる運用商品: 定期預金、保険商品、投資信託などがあります。元本確保型の商品もありますが、投資信託などは元本を下回ることがあります。投資信託を選ぶなら、信託報酬も比べます。

申し込みの流れ

  1. 情報を集める: 運営管理機関のWebサイトやコールセンターで、手数料と商品を確かめます。
  2. 運営管理機関を選び、申込書類を入手する: 一部の金融機関では、オンラインで手続きできます。
  3. 書類に記入して提出する: 必要書類とともに金融機関に提出します。
  4. 掛金の引き落としと運用を始める: 加入が決まったら、選んだ商品で運用が始まります。

会社員・公務員の「事業主証明書」は廃止

以前は、会社員や公務員が申し込むとき、勤務先に「事業主証明書」を書いてもらう必要がありました。厚生労働省によると、この事業主証明書の発行と、年1回の現況確認は2024年12月から廃止されました。国民年金基金連合会が、毎月、企業年金の加入状況を確認できるようになったためです。古い解説には「勤務先に証明書を頼む」と書かれていることがあるので注意してください。

年末調整・確定申告

掛金を自分の口座から納める(個人払込)場合は、国民年金基金連合会から「小規模企業共済等掛金払込証明書」が届きます。これを年末調整や確定申告で使います。給与から天引きする(事業主払込)場合は、勤務先が給与計算で控除するので、証明書は発行されません。

2026年12月の上限引き上げで掛金を増やすには

上限が上がっても、掛金を増やすには掛金額の変更の手続きが必要です。厚生労働省のチラシでは、2026年12月分(2027年1月口座引き落とし分)からの変更の受付は、2026年9月頃からの予定とされていました。手続きの方法は、加入している金融機関で確かめてください。

また2026年12月からは、一定の要件を満たせば60歳以上70歳未満の人も加入できるようになります。

将来いくらになるかは複利計算で、老後に必要な金額は老後資金の計算で試せます。

まとめ

  • 上限は区分で違います。公務員は2024年12月から月2万円、2026年12月から月5.4万円です。
  • 国民年金基金連合会の手数料は、加入時2,829円、納付のたび105円です(2026年10月時点。見直しが予定されています)。
  • 会社員・公務員の事業主証明書は2024年12月に廃止されました。

よくある質問

会社員がiDeCoを申し込むとき、勤務先の事業主証明書は必要ですか?
必要ありません。厚生労働省によると、iDeCo加入時・転職時の事業主証明書の発行と年1回の現況確認は、2024年12月から廃止されました。
公務員のiDeCoの上限はいくらですか?
2024年12月から月2万円です(共済掛金相当額との合計が月5.5万円以内)。2026年12月分(2027年1月引き落とし分)からは月5.4万円(6.2万円から共済掛金相当額8,000円を引いた額)になります。
iDeCoの手数料はいくらかかりますか?
2026年10月時点では、国民年金基金連合会に加入時2,829円と、掛金を納付するたびに105円を払います。ほかに事務委託先金融機関(例: 三菱UFJ銀行の手数料表では月66円)と運営管理機関の手数料がかかり、金額は機関によって違います。国民年金基金連合会は加入中の手数料の見直しを予定しているので、最新の金額は公式の案内で確かめてください。
iDeCoの掛金を途中で止められますか?
所定の手続きをすれば、掛金の拠出はいつでも止められます。ただし積み立てたお金は原則60歳まで引き出せず、運用指図者として運用を続けます。

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